健診は健康づくりのパートナー
基準値: γ-GTP 150IU/L
■γ-GTPが非常に高く肝臓の病気が心配
肝臓は、体内に取り込まれたアルコールや薬剤など化学物質の解毒を担う臓器です。あなたの健診結果によれば、肝臓で作られるγ-GTPというたんぱく質を分解するための酵素を示す数値が異常に高く、何らかの肝臓の病気が進行していることが疑われます。すぐに医療機関で精密検査を受け、原因をつきとめなけれなばなりません。
お酒の飲みすぎだけが原因ではない
γ-GTPはお酒の飲みすぎにより悪くなりやすい数値です。お酒の飲みすぎを続けるとまずアルコール性脂肪肝となり、やがてアルコール性肝炎から肝硬変に進行します。
ただし、γ-GTPはお酒による影響だけを示すわけではありません。肥満で非アルコール性脂肪肝が進行したり、胆石などの胆のうの病気でも数値が悪化します。さまざまな病気が考えられますので、お酒を飲まないからと言って油断せず、医療機関でしっかりと精密検査を受けることが必要です。
肝硬変になることを防ぐ
脂肪肝から肝炎、やがて肝硬変になると肝臓は機能を失ってもとに戻れなくなってしまいます。肝硬変の状態では肝臓がんの危険も非常に高くなります(発症率年6〜7%)。このため、そこに至る前に生活習慣の改善と治療を行くことが必要です。
日本ではC型・B型肝炎ウイルスの感染によるウイルス性肝炎の影響で肝硬変や肝がんに移行することも多いとされていますので、合わせて感染の有無を精密検査で確認しておきましょう。
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AST(GOT)
アミノ酸の生成のときに使われる酵素。心筋や肝臓・腎臓に多く含まれます。これらの障害が起こると数値が上がります。
<健康な基準値>
0〜35IU/L
ALT(GPT)
肝臓に多く含まれる酵素で、肝臓障害のときに高まります。特に肝炎の場合に数値が急増する傾向があります。
<健康な基準値>
0〜30IU/L
γ-GTP
肝臓をはじめ、腎臓、すい臓などにも含まれる酵素です。特にアルコール性肝障害のときに高くなります。
<健康な基準値>
男性:0〜50IU/L
女性:0〜30IU/L
●C型肝炎の検査法
C型肝炎の感染は血液中のC型肝炎ウイルスの抗体の有無により判断されます。陽性の場合には、C型肝炎ウイルスの存在を調べるために遺伝子をチェックします。
■肝臓の負担をやわらげるためのポイント
  • アルコールの飲みすぎは避ける
  • 栄養バランスのよい食事を適量とる
  • 過労を避ける
  • 睡眠不足を避ける
  • ストレスをためすぎない
  • たばこを控える
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